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2025.11.16
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トモニ療育センター・河島淳子先生の報道特集(TBS)を見て考える療育の大切さ

今年4月20日の報道特集。トモニ療育センター・河島淳子先生を取り上げたものだ。

障害児を療育するもの、また、障害者の就労を支援するものとして非常に心に刺さる内容だった。

「障害があっても学びたい、伸びたいという気持ちがある」のだという河島先生の言うことは、私も本当にそうだと思うし、私たちもそこを信じて、日々子どもたちの療育を続けている。

「様子を見ましょう」で話を先延ばしにするのではなく、未就学の幼児というタイミングでやれることはやっていくという姿勢はとても重要だと思っている。このタイミングは、本当に子どもたちが良く伸びるタイミング。この好機を逃してしまっては、身につくはずの社会性も身につかずに、本当に障害者になってしまう。障害は、社会側にあるのだということを逆手にとって、障害児に療育を施すのを虐待的だと言って療育を遠ざけてしまったら、それこそが虐待なのではないかと思う。本当は身につくはずの社会性を習得させる機会をわざわざ逃させる訳だから。

子どもたちの可能性を信じ、子どもたちが「やってみよう」と思った瞬間を逃さずに介入していくには、子どもの育ちへの深い理解が必要。私たちは、会社という組織として、子どもへの深い理解を持つ人たちを育てたいと思っているし、それを通じて、社会貢献をしていきたいと思っている。子どもたちのことを本気で思い、そして、本気で関わる人が増えたならば、それは、子どもにとっても、社会にとってもプラスだろう。

河島先生の教え子で、画家の石村嘉成さんがいる。彼を題材にして「新居浜ひかり物語 青いライオン」という映画も作られた。石村さんは、動物画家で、すごい才能の持ち主。

障害児者の療育や就労に関わっていると、よくこのようなギフテッドの話になるのだが、大事なのはギフテッドを生むことではない。

石村さんのお父さんは、河島先生の療育を受けたことを振り返り、「きちんと学ぶ姿勢ができていたからこそ、手を差し伸べてもらえた。」と言っている。大切なことは、正にこれで、幼少期に社会性を身につけさせなければ、何も起こらないし、そして、人としてこの社会で幸せに生きていくためには最低限必要なことなのだ。才能がなかったとしても、これさえあれば、幸せに生きていくことができる。

河島先生の療育は厳しすぎると言う声もある。ただ、それはその療育手法の一面を見ているだけで、そこにある深い愛だとか、子どもを信じる気持ちを評価できていない。虐待的にならないように気を配ることは本当に大切なのだけど、虐待になることを恐れて、「様子を見ましょう」の言葉に代表されるように、表層を舐めるような接し方しかしないこともまた、虐待なのだと思う。

<参考>
TBS報道特集「譲ってはいけないところは譲らない」生きる力を育む、自閉症の療育に生涯を捧げた医師」

石村嘉成さんのHP
https://i-yoshinari.jp/

トモニ療育センター
https://www.tomoni-kawashima.jp/

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