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2024.01.26
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インクルージョンって、こういうことなんだろうと思う

久々のブログです。ご無沙汰しすぎて、すみません。

昨日は、岐阜まで足を運び、「教育フェアぎふ2024」に参加してきました。コロナ前までは私も主催者側をやっていまして、今も続いています。

昔からなじみの出展者である岐阜聖徳学園付属小中高の先生と歓談させていただきました。色々雑談をしていたところ、自閉傾向がある子どもへの対応についての話となっていきました。

岐阜聖徳学園付属には、毎年数名自閉傾向がある子が入学するそうです。提携の医療機関やエールぎふなどから紹介を頂いたり、口コミで紹介があったりと、かく言う当塾からも数名の生徒がお世話になっています。

基本方針としては、「特別扱いはしない」。平たく言えば、入学試験で合格相当の点数が取れれば入学ができるということです。だから、入学時に親御様から意思表示が苦手な我が子のために用意した意思表示カードを使ってほしいというような依頼も場合によっては断っているそうです。

「私たちは、特別扱いはしません。けど、有意義に学校生活が送れるようなサポートをします」と。

「特別扱いはしないので、自力でなんとかしてください。」ではないのです。学校が外から見て分かりやすい特別扱いはしないながらも、学校生活を楽しく送れるようにあの手この手を尽くす。彼らの様子を見ながら、適度な負荷をかける。そんな丁寧な関わりをしている。特別支援学校のように障害児ばかりを集めているわけではないため、周りの子どもたちからの協力も受けやすい。

意思表示カードを使わないようにした子は、学校の先生方の熱くも温かい指導により自らの言葉で意思を表示することが少しずつうまくなり、やさしい友だちに恵まれ、興味のある科学イベントに友達と一緒に参加するなど経験を積んでいったそうです。その結果、小学生のうちに言葉で自分の気持ちを伝える技術を身につけ、そして、科学への興味を更に開花させて、M高校に進学して、さらには、飛び級制度を活用して国公立大学に飛び級で入学したそうです。

最近の文科省の調査報告によると、特別な支援が必要な子どもの割合は、小学生で8.8%。確かに、35人や40人学級で担任の先生が1人奮闘してその子たちの面倒を全て見るのは大変だと思います。でも、周りの児童生徒の力も借りて学校一丸で対応すれば、特別な支援が必要だと思われていた子どもは、自分で生きる方法を見いだすと共に、この世の中には頼っていい人たちがこんなにたくさんいるんだと気づけるんだと思いました。

制度を設計するためには、「生徒○人に対して、先生を1人配置する」というような分かりやすい指標が必要です。しかしながら、そんな指標があるから柔軟な制度を作ることができなくなるのも事実です。

決して数字では表現できない何かが子どもたち一人ひとりの生きやすさや成長しやすさに繋がっている。

インクルージョンってこういうことなんだろうな、そんなことに気づかされた良き歓談時間でした。私たちも多くの子どもたちにそんな環境を提供できる塾・幼児教室でありたいと改めて思いました。

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